屋根の修理費用の相場はいくら?工事内容ごとの料金目安と修理業者の選び方

「新築から10年以上が経過し、屋根の汚れが目立つようになってきた」、「台風で屋根が破損し雨漏れが起きてしまった。」など、経年劣化や災害で屋根の修理が必要になるケースがあります。屋根の劣化や損傷を放置すると、雨漏れが発生したり、屋根材が濡れて腐ったりなどのトラブルに発展することがあります。そのため、きちんと修理・メンテナンスをする必要があります。しかし、これまで屋根の修理を実施したことがない場合、費用相場や修理方法がわからず、また、修理業者の選び方なども不安に感じることも多いでしょう。そこで、屋根・メンテナンスの費用やタイミングの目安、業者の選び方などについて解説します。

目次

屋根の修理内容別の費用相場

屋根の修理費用について工事内容別に相場をご紹介しましょう。

・屋根塗装工事
・屋根葺き替え工事
・カバー工法工事
・板金交換工事
・漆喰工事
・雨漏りなどの部分補習

上記の6つの工事について、それぞれ修理費用の目安を解説しますので、参考にしてみてください。

屋根塗装は40万円~70万円が相場

屋根修理の一環として屋根塗装を依頼する場合、40坪の住宅の場合で40万円~70万円が塗装費用の目安になります。屋根材や使用する塗料のグレード、設置する足場の面積などによって金額は変動するほか、塗料を使う面積が広くなるほど高額になる傾向があります。同じ坪数でも屋根の傾斜が大きければ塗り面積が大きくなるので価格は変わります。屋根塗装で使われる塗料の耐用年数は、約7年~15年が目安となっているため、約10年単位で塗り替えが必要です。

屋根の吹き替え工事は100万~200万が相場

屋根の葺き替え工事は、現在使われている屋根材を取り除き、新たな屋根材に交換する大規模な工事になります。屋根材に加えて、下地や防水シートなども併せて交換する場合には、屋根材の処分費用を含めて30坪~40坪あたりの住宅なら100万~200万が相場になります。屋根材そのものを交換する工事なので住宅の雰囲気を大きく変えられるほか、屋根の寿命を新品同様に延ばすことができるので、長期的なメンテナンスコストの削減につながります。

カバー工法工事は70万~150万が相場

カバー工法工事は、既存の屋根の上に新品の屋根材を被せる工事です。屋根材の重さで住宅が痛んでしまわないよう、薄くて軽量なガルバリウム鋼板と呼ばれる屋根材が主に使われています。30坪~40坪の屋根の場合で費用相場は70万円~150万円で、古い屋根材の処分費用がかからない分、葺き替え工事よりも安価に済みます。ただし既存の屋根材の劣化が進んでいると工事が難しくなるケースもあるため、事前に業者の現地調査を受ける必要があります。また、2000年当初に使用されたノンアスベストの屋根材ですと、年数が経って屋根材の剝がれや割れが著しく見られる場合は、塗装工事よりカバー工法を施工する場合が多いです。

板金交換工事は10万~30万が相場

板金交換工事の場合、貫板交換も含め、30坪~40坪あたりの住宅なら10万~30万が相場になります。貫板とは、棟板金の下地に用いる木材のことで、既存板金、貫板を撤去した後、貫板、板金を新設します。

漆喰工事は10万~30万

漆喰工事の場合、30坪~40坪あたりの住宅なら10万~30万が相場になります。
基本メーター数で費用を出すので、同じ坪数でも屋根の形状や棟の長さ、鬼瓦、冠瓦などの個数によって変わります。

雨漏りなどの部分補修は数万円~30万が相場

部分補修は数万円~30万円程度

台風によって屋根が一部はがれてしまったケースや、雨漏りしてしまったケースでは、屋根全体ではなく部分的な補修工事を行うことも可能です。代表的な補修工事の費用相場をまとめると、下記の通りです。

  • 雨漏りの補修(5万円~30万円程度
  • 屋根材の交換(1万円~5万円程度)

ほかにも雨どいの修理・交換や外壁塗装などを同時に依頼する場合には、別途費用が加算されます。修理のために足場を組む必要がある場合には、工事の規模に関わらず一定の足場代が発生することにも注意しましょう。足場代が何度も発生することを防ぐために、雨漏りをきっかけに屋根全体の工事を検討する方も少なくありません。

屋根材ごとの屋根修理・メンテナンスのタイミングは?

屋根の塗装や修理・メンテナンスは、屋根材によっても最適なタイミングは異なります。雨漏りや屋根材のはがれなどが発生している場合にはすぐに修理を必要となります。これを放置すると雨漏りの広がりの原因や建物全体の老朽化が進み、修繕費用が予想以上に高額になることもあります。そうでない場合には下記の屋根塗装の目安時期を参考に業者による現地調査を依頼してみると良いでしょう。屋根は常に雨や紫外線、風、雪などの厳しい自然環境にさらされているため、定期的なメンテナンスを怠ると劣化が急速に進みます。そのためにも、適切なタイミングで計画的に屋根リフォームを行うことが大切です。

屋根材の種類耐用年数屋根塗装の目安
セメント瓦約30年約10年~15年
スレート屋根約20年約7年~15年
ガルバリウム鋼板約30年約20年~30年
アスファルトシングル約20年~30年約10年~15年
トタン屋根約30年約7年~10年

屋根は普段の日常生活ではなかなか見る機会がないので、この機会にご自宅の屋根を一度見てみるのも良いかもしれません。雨漏りの症状が出てからだと費用もかかりますし、なにより大切なお住いを痛めてしまうことになります。雨漏りの症状が出る前に定期的なメンテナンスをお勧めします。

屋根修理業者選ぶときのポイントは?

屋根の修理業者は数多く存在し、どの業者に依頼するのか悩む方も多いと思います。屋根の修理を適正価格で依頼するためには、悪徳業者を避けて信頼できる業者を探す必要があります。金額面に注目して安さだけで選ぶのはおすすめしません。手抜き工事をする悪徳な業者もいるからです。ここでは業者選びのポイント3選を解説します。

施工実績が豊富であること

屋根の修理ができる業者といってもさまざまな業者があり、屋根の修理を専門にしているところもあれば、住宅全般のリフォームに対応しているところなどがあります。施工予定の内容に対して、その施工実績が多いところに依頼することをおすすめします。塗装工事、カバー工法工事、漆喰工事、雨漏り補修など屋根修理は様々な内容があります。施工実績が多い業種に依頼すれば施工不良などのトラブルを減らすことができるでしょう。
また、施工実績は各業者のホームページで確認できます。依頼する前に見ておきましょう。

相見積もりをとること

屋根修理・メンテナンス業者選ぶ時には、必ず相見積もりを取りましょう。業者によって見積金額が異なるため、複数社を比較することで相場が分かってきます。見積額の安さだけで判断せず、上で述べた施工実績などを確認することも大事です。
また、金額が相場よりも極端に安い業者は注意が必要です。施工不良が多かったり、施工中に他の悪い箇所を提示して金額を上げてくる事例もあります。金額的な面だけで判断するのは避けた方がいいでしょう。

現地調査の丁寧さを確認すること

現地調査の丁寧さも業者選びのポイントになります。担当者の対応がよく、不安な箇所をしっかりと聞いてくれて、分かりやすく解説してくれる業者を選ぶことが大切です。屋根の状態は直接確認しないと分からないこともあるので、写真などで現状をしっかりと説明し、それに対応する適切な判断でご提案をできる業者を選びましょう。

悪徳な屋根業者の見分け方

昨今、屋根修理の悪徳業者の話を耳にする機会が多いと思います。そこで悪徳業者の詐欺にあわないためのポイントを紹介します。

屋根修理の知識はあるのか

悪徳業者は、屋根修理に関する知識が少ないことが多いです。例えば、屋根修理の相場は?足場代はいくらか?工期はどのくらいかかるか?など質問してみるのもよいでしょう。すぐ答えられないときは悪徳業者の可能性は高いです。

名刺やパンフレットを持っているか

名刺やパンフレットを持っているかの確認も大切です。悪徳業者は名刺やパンフレットを持っていないことが多い傾向にあります。持っていないんです。とごまかそうする場合悪徳業者の可能性高いです。普通の業者は、安心してもらうために会社の情報や住所、電話番号など開示します。隠そうとする業者は避けたほうがよいでしょう。

必要以上に不安を煽る

突然訪問してきて、「屋根が剥がれているよ。」、「釘が抜けているよ。」と、このままでは雨漏りする可能性があると、今すぐ工事しないと大変なことになると必要以上に不安を煽る業者は悪徳業者の可能性が高いです。
突然業者が訪ねてきた場合、一度その業者には引き取ってもらい、不安であれば以前塗装工事をしてもらった会社など信頼できる業者に連絡し、点検してもらうようにしましょう。

火災保険や補助金の利用を検討

火災保険

経年劣化ではなく、風雪や豪雨などの自然災害で修理が必要な場合は、火災保険の補償内容の範囲内で修理やリフォームをすることができます。火災保険は火災の場合だけでなく、契約の範囲内で自然災害の損傷などでも申請可能です。申請すれば火災保険が適用される場合があります。ただし、火災保険申請には、いつ、どのような災害で被災したのかを明確にして修理の見積もりが必要になります。一般的なリフォーム会社の修繕の見積もりを保険会社におくり、保険適用を確認してから、修繕工事を行うことになります。まずは、保険の窓口でまず保険の適用範囲を確認し、手続きの流れに従って火災保険を活用しましょう。

補助金制度

屋根のリフォームや修理に関して、公的機関が補助金制度を設けている場合があります。代表的な支援として、耐震改修や自然災害による被災屋根の修理・応急処置・廃材処分の補助などが挙げられます。また、市区町村によっては、遮熱塗料を使用した屋根塗装の費用を一部補助してくれるケースもあります。自治体によって内容が異なるので、リフォームを検討する際は、お住まいの自治体の制度を確認し、活用できる補助がないか調べてみてください。

まとめ

屋根修理は、住まいの安全と快適さを維持するために欠かせない作業です。定期的な点検と適切なメンテナンスを心掛け、信頼できる業者に依頼することで、適正な費用で質の高い修理を実現できます。複数の見積もりを取得し、費用や施工内容を比較検討することが重要です。また、火災保険や自治体の補助金制度を活用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。定期的なメンテナンスと早めの対応で、大切な住まいを長く守りましょう。

屋根修理の適切なタイミングは?

屋根材の種類にもよりますが、一般的には10年~20年ごとに点検・修理を行うことが推奨されています。特に、雨漏りや屋根材のズレ・破損が見られた場合は、早急な修理が必要です。

屋根修理の業者選びのポイントは?

複数の業者に見積もりを依頼し、現地調査の際、丁寧な対応で的確にご提案する業者を選びましょう。また、ホームページ等で施工実績が豊富な業者を選ぶことも大切です。

火災保険や補助金を利用する

自然災害(台風や大雪など)による屋根の破損は、火災保険が適用される場合があります。被害が確認されたら、速やかに保険会社へ連絡し、修理業者と協力して必要な書類を準備しましょう。
また、各自治体において補助金制度を設けている場合があります。お住まいの自治体の制度を確認し、活用できる補助がないか調べてみてください。

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